刀剣趣味の本領が発揮された名品

村山龍平(朝日新聞社創業者)の数奇

Armors & Swords | 武具・刀剣

雲形花菱文散七宝鐔 江戸時代(19世紀)

 

刀剣趣味の本領が発揮された名品

 

朝日新聞社の創業者、村山龍平は大阪の数寄者を代表するひとり。嘉永3年(1850)に紀州徳川藩田丸領の武家に生まれ、明治12年に朝日新聞の創刊を手伝うと、経営権を得て全国有数の新聞へと育て上げた。近代化への流れの中で、古美術品の海外流出を止めようと、盛んに購入するようになったという。蒐集品は絵画、書跡、仏教美術、茶道具、武具など多岐にわたり、没後に設立された香雪美術館に収蔵される。2018年には2館目の中之島香雪美術館が開館した。

 

中之島香雪美術館で催されている「刀と拵の美」展は、村山龍平が古美術の中で最初に興味を持って蒐集を始めた刀剣の中から、刀と拵、刀装具の名品を展示。もともと武士の出で、父の影響で刀剣を集めだしたとされ、刀剣は身近な美術品だった。とくに地元の伊勢国桑名の刀工、村正を好み、鑑定会にも熱心に通ったという。多いときには刀剣が800本にもなった。

 

本展は刀剣や刀装具の「美」をテーマとする展覧会で、五家伝から名刀の誉れ高い刀を展示するほか、優美さと華やかさを感じさせる江戸時代の拵え、装飾の技巧を極限まで高めた鐔や刀装具を展示。子供の頃から見て育った村山龍平の確かな目で選んだ刀剣の美を楽しみたい。

 

 

重要美術品 短刀  銘  国光 鎌倉時代(13世紀)

相州鍛冶の始祖という新藤五国光の短刀。尋常な中直刃の作風で、ことに刃中の小沸の働きが見事であり、作風から国光の初代とみるべき作である。

 

 

《重要文化財 太刀  銘  吉家作》 平安〜鎌倉時代(11〜13世紀) 

 

 

《金梨子地葵九曜紋蒔絵糸巻太刀拵》 江戸時代(18〜19世紀)

 

 

《黒漆牡丹文蒔絵短刀拵》 江戸時代(18世紀)

 

《朱漆海老鞘脇指拵》 江戸時代(19世紀)

 

※掲載写真はいずれも香雪美術館 蔵

 

 

館蔵 刀剣コレクション 

刀と拵の美

開催中〜3月17日(日)

中之島香雪美術館

開館時間:10時〜17時(1/25、 2/22、 3/14は〜19時30分。入館は閉館の30分前まで)

休館日:月曜(祝日の場合は開館し翌日休館)

入館料:一般1200円 高大生700円 小中学生400円

アクセス:京阪中之島線渡辺橋駅下車12番出口直結。

地下鉄四つ橋線肥後橋駅下車4番出口直結。

地下鉄御堂筋線・京阪本線淀屋橋駅下車、7番出口より徒歩8分

 

『目の眼』2024年2月号〈相州伝のはじまり〉

Information

館蔵 刀剣コレクション 刀と拵の美

名称

館蔵 刀剣コレクション 刀と拵の美

会場

中之島香雪美術館

住所

大阪市北区中之島3-2-4
中之島フェスティバルタワー・ウエスト4階

URL

TEL

06-6210-3766

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