オークション情報|北斎「神奈川沖浪裏」ほか約100点の木版画を展示 ヘリテージ・オークションズが東京で初の下見会 オークションハウスのヘリテージ・オークションズ東京オフィスで、今月4日から11日まで2回にわけ、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」をはじめとする日本の木版画約100点の下見会が開催される。 下見会には、9月25日(水)と来年3月にヘリテージ・オークションズ(アメリカ テキサス州)で行われる「日本の木版画 ネルキン・コレクション パートⅡ シグネチャー・オークション」と「パートⅢ」に出品される作品が展示され、事前予約すれば、オークションへの参加を問わず、誰でも見ることができる。 葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」/ Imaged by Heritage Auction, HA.com (2024.9/25 「日本の木版画 ネルキン・コレクション パートⅡ シグネチャー・オークション」出品予定) 9月4日〜6日の下見会で注目品として展示される北斎の「神奈川沖浪裏」は、新紙幣やパスポートなどに使用されているので、いまや日本国内ではお馴染みだが、海外でも「Great Wave」の愛称で親しまれ、近年、海外オークションの日本美術部門では最高落札額を更新している。そのほか、歌川広重の「雪の隅田川(三枚)」、山村耕花(豊成)の「踊り 上海ニューカールトン所見」などのハイライト品が下見会では展示される。 歌川広重「雪の隅田川」(三枚)/ Imaged by Heritage Auction, HA.com 山村耕花(豊成)「踊り 上海ニューカールトン所見/ Imaged by Heritage Auction, HA.com オークションでは刷られた年代や、刷りの状態で落札額が左右されるので、通常の美術館での展示とは異なり、ショーケースなどのガラスを通さず直接作品を見ることができるのが、大きな魅力。出品アイテムの状態を見たうえで、9月のオークションに入札参加するか決めることができるのもポイントだ。 ◇ネルキン・コレクション アメリカ人コレクターのルース・ネルキン氏が収集してきた美術コレクションで、とくに日本の浮世絵に情熱を注いできたという彼女のコレクションには、葛飾北斎から川瀬巴水の作品まで、19世紀から20世紀前半の版画作品の優品が多く含まれている。今年6月、当オークションの「パートⅠ」が開催された際には、北斎や高橋弘明、吉田博など200点以上が完売し、落札総額は220万USドル(約3億5,200万円)を記録。そのうち20点以上が落札額の世界記録を達成している。ヘリテージ・オークションズによる今回のネルキン・コレクション・オークションは、アジア美術の分野で 30 年以上のキャリアを持つ、日本美術のスペシャリストで独立コンサルタントの堀佐知子氏の協力のもと実現している。 ◇ 下見会の事前予約は、ヘリテージ・オークションズ東京オフィスへ 日時:2024年9 月4日(水)~ 9 月 6 日(金)、9 月9日(月)〜 9 月 11 日(水) 10:00〜17:00 場所:ヘリテージ・オークションズ 東京オフィス内 〒105-6306 東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー 6 階 予約方法:事前予約が必要です。TEL 03-6257-1131、またはメール(Japan@HA.com)へお申込ください。 下見できるアイテム:葛飾北斎 『富嶽三十六景』 「神奈川沖浪裏」、歌川広重 「雪の隅田川」(三枚)、魚屋北渓 柳番続より 「柳湯」、窪俊満 「茶碗と梅の枝」 摺物、など ◇ オークションのそのほかの出品アイテムや、入札サイト こちら(ヘリテージ・オークションのオークションページへ) 東京オフィスのウェブサイトからもお問合せいただけます https://www.ha.com/tokyo 【ヘリテージ・オークションズ(Heritage Auctions)】 ヘリテージ・オークションズは、米国で設立された最大の美術品・収集品オークションハウスであり、最も高いオンライントラフィックと取引額を誇る、世界最大の収集品オークショニアです。(SimilarWeb および Hiscox Report より) ニューヨーク、ダラス、ビバリーヒルズ、シカゴ、パームビーチ、ロンドン、パリ、ジュネーブ、アムステルダム、香港、東京にオフィスを構えています。オフィシャルのウェブサイトでは、175 万人以上のオンライン入札会員を擁しております。約 600 万点以上の商品の写真や落札価格などの詳細を遡って検索することが出来ます。※メディア関係者には、写真のクレジットを明記することで複製権が付与されます。 2024 年に東京オフィスを開設し、オークション参加、出品、査定、輸送手配などにつきまして、日本語でのサポートを提供しております。 ウェブサイト https://www.ha.com/tokyo RELATED ISSUE 関連書籍 目の眼2024年10月号No.577 李朝空間 癒やしのかたち 日本とは文化的に近しく、かつ異なる美を持つ李朝のやきものや絵画、道具や家具は、古くから日本の蒐集家に愛されてきました。近年は韓流ドラマが定着して、李朝時代の歴史に興味を持つ方も多く、李朝時代の骨董は新しいファンを増やしています。今回の特集では李朝の古美術を用いた心地良い空間の愉しみをご紹介します。 購入する POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 超! 日本刀入門Ⅰ|日本刀の種類について解説します Armors & Swords | 武具・刀剣 稀代の美術商 戸田鍾之助を偲ぶ People & Collections | 人・コレクション 昭和時代の鑑賞陶磁ブーム 新たなジャンルを作った愛陶家たち People & Collections | 人・コレクション 根付 怪力乱神を語る 掌の〝吉祥〟を読み解く根付にこめられた想い Ornaments | 装飾・調度品 古信楽にいける 花あわせ 横川志歩 Vassels | うつわ 書の宝庫 日本 人の心を映す日本の書 Calligraphy & Paintings | 書画 小さな壺を慈しむ 圡楽窯・福森雅武小壺であそぶ Ceramics | やきもの 展覧会情報 今秋、約50年ぶりのはにわ展/東京国立博物館 Ceramics | やきもの 阿蘭陀 魅力のキーワード 阿蘭陀の謎と魅力 Ceramics | やきもの 縄文アートプライベートコレクション いまに繋がる、縄文アートの美と技 Ceramics | やきもの ビンスキを語る ビンスキは どこからきたのか 〜その美意識の起源を辿る History & Culture | 歴史・文化 超 ! 日本刀入門Ⅱ|産地や時代がわかれば、刀の個性がわかります Armors & Swords | 武具・刀剣