2021年9月号 No.540

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発売日:2021年8月16日 定価:1,320円
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目次

特集 Special Feature

「文人の眼」
木村蒹葭堂が近代に遺したもの

注目は「現代屈指の文人」LIXILグループ元会長・潮田洋一郎さんによる書き下ろしエッセイ!
今特集の大きなテーマとなる「文人」とはなにか? 「佳風亭夢想茶会」を本誌連載中の潮田洋一郎さんに書き下ろしエッセイをいただきました。「いにしえの文人たちの残したものを鑑賞したり語り合ったり、世に伝えたりするのもまた現代の文人的時間と言えるのだろう」と綴る潮田さんが理想とする文人とは、またその生き様とはどういうものか。ぜひ本編をご覧ください→18P

——商都・大阪は大正時代まで日本の経済の中心でした。江戸時代の後半、その大坂商人の力を背景として人形浄瑠璃・歌舞伎・舞・地唄・狂言・落語などのいわゆる「上方文化」が成熟していきます。
その中でもひときわ異彩を放ったのが、造り酒屋の跡取り木村兼葭堂(坪井屋吉右衛門)でした。幼少時より病弱だった彼は6歳の時に狩野派の大岡春朴に画を、11歳の時に柳沢淇園の元で粉本を習います。この頃、大坂の儒者・片山北海と出会い、経史や詩文も学んでいます。また13歳の時には淇園の紹介で池大雅に弟子入りし、文人画の手ほどきをうけました。

この早熟の異才は、21歳の時に書室を蒹葭堂と名付け、本草学や物産学の蒐集も本格化してゆきます。その当時、中国一辺倒だった本草学や物産学では物足りず、広く西洋からも知識を得ました。蒹葭堂の死後、彼の蔵書の多くは幕府に買い取られ、政治と学問のために利用されたことからも、蒹葭堂コレクションが個人の嗜好を遥かに超えた価値があったことを物語っています。
与謝蕪村、浦上玉堂、伊藤若冲らの画家と深く交わり、頼山陽など多くの知識人が出入りしていました。日本で初めて博物館を作ったと言われる知の巨人の姿を通じて、日本人の憧れた文人や文人趣味とは何だったのか探ってみたいと思います。

 

連載 Series of “Mind’s Eye”

佳風亭夢想茶会 書画道具あわせ
——潮田洋一郎

眼の哲学 青山二郎の言葉
——森 孝一

ほっとけない仏たち 兵庫
温泉寺の十一面観音 (豊岡市)
——青木淳

京都迷店案内 ラ・ヴァチュール
——上野昌人

七つの海を渡る中国陶磁
明末の「上品細料器」の青花沓形茶碗
——金立言

舞台裏の辰星たち
古美術薮本 薮本俊一 後編
——平野龍一

日本刀 五ヶ伝の旅 備前伝 長船長義
——田野邉道宏

美の仕事 東美正札会
——茂木健一郎

 

collecteurs asile

コラムでつなぐ蒐集の世界
骨董片々録 勝見充男
車     武田公実
ジュエリー 有川一三
大英博物館 矢野明子

 

Topics & Report

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福井夫妻コレクション 古九谷[大阪市立東洋陶磁美術館]
2021 秋季海外オークション
「美の境地」展[細見美術館]
道具屋めいてい研究所こっとう市

京ノ花合せ(京都花めぐり編)
古美術 尚雅堂
——藤田修作

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