2021年11月号 No.542

目次
特集「刀剣を鑑(み)る」
平安時代末より1000年の歴史を伝える日本刀。中世〜近代にいたるまで、動乱の時代が終わるたびに刀剣の再評価がおこなわれ、そのときどきの権力者に名刀が受け継がれていきました。
日本人は、常に刀剣を鑑定し続けてきたともいえます。現在国宝や重要文化財に指定されている刀剣の多くは、そうした伝統的な評価を下地としながら、刀剣自体の美しさだけでなく、それに付随した物語や、誰が造り、持っていたかという伝来も重視されています。
今号の特集で紹介する「特別重要刀剣」は、国の指定する国宝や重文とは別の枠組みではありますが、将来、重要文化財になり得る名品を見出そうとする熱意を持ってはじめられた鑑定制度です。
今回は「特別重要刀剣」制度の50周年を記念した展覧会を中心に、権威の象徴として、さらにはご神体として、また鑑賞に値する美術工芸品としての見所をたっぷりと紹介しています。
重要文化財に準ずる、と規定されている特別重要刀剣ですが、刀剣研究において新発見・新知見のカギとなる貴重で個性的な作が多く、すでに重要文化財に匹敵するような名品も存在しています。個人蔵が多く、なかなか直に目にすることの出来ない名刀にふれていただくきっかけになれば幸いです。
連載 Series
七つの海を渡る中国陶磁
「 祥瑞」雑識(上)—「神童詩」の登場
——金 立言
菓子皿考
——内田風知
佳風亭夢想茶会 書画道具あわせ
——潮田洋一郎
京都迷店案内 塩津植物研究所
——上野昌人
ほっとけない仏たち 兵庫
福田寺の阿弥陀如来 (尼崎市)
——青木淳
眼の哲学 青山二郎の言葉
——森 孝一
舞台裏の辰星たち
甍堂 青井義夫 後編
——平野龍一
美の仕事 ギャラリーかんかん本店
——村治佳織
collecteurs asile
コラムでつなぐ蒐集の世界
骨董片々録 勝見充男
車 武田公実
ジュエリー 有川一三
大英博物館 矢野明子
Topics & Report
正倉院展[奈良国立博物館]
森川杜園展[奈良県立美術館]
殷墟展[繭山龍泉堂・RYUSENDO GALLERY]
KOGEI Next 展[古美術鐘ヶ江]
猪口展[井上オリエンタルアート日本橋]
秋の古美術店イベント[オリエント考古美術太陽・欧亜美術]
2021秋季オークション
秋の骨董イベント[金沢美術倶楽部・目白コレクション・京都アンティークフェア・おおさか骨董アンティークフェスタ]
道具屋めいてい研究所 自由研究発表会
京ノ花合せ(京都花めぐり編)
Pass
——藤田修作
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