企画展紹介|青花室(花元) 石に宿った祈りの時間 展示即売会「石のもの〜国東の石塔その他〜」 RECOMMEND 本誌『目の眼』の木地盆特集や酒器特集などでたびたび紹介した大分の古美術店「花元」が、長年蒐めてきた古い「石のもの」を展示販売する企画展が本日から開催される。 本展は、主人・安東敬三さんが長年扱ってきた国東の石塔を中心に、李朝、オリエントなどさまざまな地域と時代の石造品、約50点あまりを紹介するもの。 圧巻は中世に独自の神仏習合文化が興隆した国東半島において鎌倉〜南北朝時代に造られ、供養塔として安置された五輪塔が10基ほど一堂に会した展示空間で、鎌倉初期の祖型一石五輪塔から地・水・火・風・空5段に分かれた組み立て式の五輪塔のほか、現存数がたいへん少ない宝塔までが並ぶ。 「私もはじめて見たときはその異様な迫力に圧倒されました」と語る安東さんだが、次第にその魅力に惹かれ20年以上にわたって国東半島をまわり、販売可能な五輪塔を探し続けたという。 京都の寺院で見られるシャープでなめらかな石質の堂々としたタイプではなく、地元で産出される凝灰岩で製作された国東五輪塔はその素朴な造形が魅力。なかには数百年の風雪にさらされて若干崩れかかった部分も見られ、その枯れた石肌や苔むした姿が風情を感じさせる。 このほか機内で製作された石仏や、関東で製作された板碑、縄文時代の鏃をはじめとする石造品楽しめる。 ちなみに本展の見どころ、くわしい様子は『目の眼』6月号(2026.5/15発売)の巻末連載「美の仕事」で、原研哉さんのリポートで紹介します。こちらもお楽しみに! これまで東京ではほとんど機会のなかった、中世の石造美術を直に見て、しかも買える(!)というチャンス。 ご興味のある方は、ぜひこの機会にお出かけください。 [イベントDATA] 「石のもの〜国東の石塔その他〜」 会期|2026年1月25日(日)-2月6日(金) *1月25・26日は⻘花会員のみ 休廊|1月31日 時間|12-18時 会場|青花室 東京都新宿区矢来町71 新潮社倉庫内(神楽坂) 出品|安東敬三(花元) 対談|国東の石塔を巡って|小澤實+安東敬三 日時|1月25日(日)18時半-20時 会場|青花室 RELATED ISSUE 関連書籍 目の眼2026年2・3月号No.585 須恵器 世界を変えたやきもの SUEKI Change the World これまでにない大規模な須恵器の展覧会が、愛知県陶磁美術館から、兵庫、山口、東京と巡回します。 古墳時代に大陸から渡ってきた窯焼の技術によって、それまで日本になかった硬質のやきものが作られるようになりました。日本最大のイノベーションといわれる須恵器の誕生です。約30年ぶりという本格的な須恵器の展覧会を機会に、コレクターによる須恵器の愛玩の変遷もみながら、ご紹介します。 試し読み 購入する 読み放題始める POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 『目の眼』リレー連載|美の仕事 村治佳織さんが歩く、東京美術倶楽部で愉しむアートフェア Others | そのほか 東京アート アンティーク レポート #4 街がアート一色に|美術店めぐりで東京の街を楽しもう Others | そのほか リレー連載「美の仕事」|土井善晴 土井善晴さんが向き合う、桃山時代の茶道具 土井善晴Ceramics | やきもの 東京アート アンティーク レポート #1 3人のアーティストが美術・工芸の継承と発展を語らう Others | そのほか 連載|辻村史朗(陶芸家)・永松仁美(昂KYOTO) 辻村史朗さんに “酒場”で 学ぶ 名碗の勘どころ「志野茶碗」(後編) Ceramics | やきもの 最も鑑定がむずかしい文房四宝の見方 硯の最高峰 端渓の世界をみる People & Collections | 人・コレクション 世界の古いものを訪ねて#3 ケルン大聖堂 響きあう過去と現在 ー 632年の時を超え、未来へ続く祈りの建築 山田ルーナHistory & Culture | 歴史・文化 根付 怪力乱神を語る 掌の〝吉祥〟を読み解く根付にこめられた想い Ornaments | 装飾・調度品 連載|真繕美 唐津茶碗編 日本一と評される美術古陶磁復元師の妙技1 Ceramics | やきもの 辻村史朗(陶芸家)・永松仁美(昂KYOTO) 辻村史朗さんに “酒場”で 学ぶ 名碗の勘どころ「黒茶碗の魅力」 Vassels | うつわ 展覧会紹介|茨城県陶芸美術館 余技の美学〜近代数寄者の書と絵画 Calligraphy & Paintings | 書画 稀代の美術商 戸田鍾之助を偲ぶ People & Collections | 人・コレクション