文化財はよきアンバサダー

矢野明子

大英博物館アジア部三菱商事キュレイター

大英博物館の日本コレクションから日本へ里帰りするのにふさわしい作品は何だろうかと仮に考えてみたときに、筆頭にあがるもののひとつはきっと「秋冬花鳥図襖」だろう。16世紀末から17世紀初頭の正系狩野派の筆になる豪奢な襖絵は、もとは奈良の談山神社の学頭屋敷にあったものが、20世紀初頭にはすでにそこを離れ、日本国内での所蔵やディーラーの手を経て海外に出た。

雑誌『目の眼』巻頭コラムの人気連載「てくてく大英博物館」のWEB版です。世界最高峰のミュージアムと称される大英博物館三菱商事日本ギャラリーの学芸員・矢野明子さんが、館内の見どころや所蔵品の魅力などいろんな角度から紹介します。

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