「目の眼」10月号発売

古美術の世界では、古裂というジャンルがあります。
コレクターが、その美しさ、技術の見事さに気付き、残そうとする。
それは単なるモノ集めではなく、最高のものを極めようとする人々の心に感動し、
収集し伝えようという気持ちが動くのだと思います。
保存が難しい染織コレクションを大切に収集・研究してきた人々のことも、
記憶にとどめておかなければと思います。
目の眼10月号の特集は「染織コレクションの系譜」。
日本有数の染織コレクションである女子美術大学の染織コレクションほかを紹介します。
目の眼10月号は9月15日発売。
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信楽の佇まい

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六古窯のなかでも好む人が多い信楽(しがらき)。他の古窯よりやや遅い鎌倉時代に生まれたとされ、壺や甕、鉢を生産していましたが、15世紀後半に茶の湯の道具として重宝されるようになります。釉薬をかけず、素地を高温で焼く「焼締」の陶器で、赤褐色の火色や焼成された際にできる自然釉の流れ、石ハゼ、焦げなどの見どころが多く、均等ではないスタイルは茶人たちの「侘数奇」の美に通じ、多くの文化人に好まれました。昭和40年代に古窯の一大ブームが起こった時の中心にあり、いまも古美術好きを魅了する信楽の魅力に迫ります。