展覧会情報|アサヒグループ大山崎山荘美術館

民藝作家の「縁」から見えてくるもの|鑑賞チケットプレゼント受付中

History & Culture | 歴史・文化

富本憲吉《白磁染付蝋抜ホップ文鉢》

富本憲吉《白磁染付蝋抜ホップ文鉢》

展覧会「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」

 

アサヒグループ大山崎山荘美術館は、朝日麦酒(現アサヒグループホールディングス)の初代社長を務めた山本爲三郎(1893〜1966)が支援した民藝運動ゆかりの作品を収蔵公開している。

 

山本爲三郎は民藝の草創期から、提唱者の柳宗悦をはじめ、濱田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチ、富本憲吉、黒田辰秋ら作家たちとも親しく交流した。

 

 

「日用品は、われわれの日々の生活の伴侶であり、器というものは使わなければ美しくならない。反復は技術を磨き、分業を尊び、虚心に行い、無心に帰ると強く言い切り『物心一如』を説いている。私は、この同人たちの主張に何か強く引かれて、その仕事のお手伝いをして今日におよんでいる」

(『私の履歴書 第3集』1957年より)

 

 

山本氏は大阪船場の商人の家に生まれ、祖母から生活の分限を守ることと、物への愛、人への愛についてよく諭されたという。濱田庄司は、山本氏が亡くなった際、『民藝』に寄稿した追悼文「山本氏を憶う」の中で「山本さんは一度縁が出来るとどこまでも守る方」と書いている。

 

「つながる民藝 縁ぐるり」展は、山本コレクションから9人の作家に焦点を当て、連続的なペアを作って、各々の作品とエピソードから彼らの関係を一つの円環のように浮かび上がらせるという面白い企画。民藝に共感し、集まった作家たちの関係性、共通点を明らかにする試みだという。さらにこの円環から派生する人々のつながりも興味深い。

 

 

展覧会を構成する9人の作家の円環(民藝を核に)

本展覧会を構成する9人の作家の円環

 

 

 

エセル・メーレ×濱田庄司

 

陶芸家の濱田庄司は英国滞在中、染織家のエセル・メーレを訪ねて、ロンドンから南に80キロほど離れた小村ディッチリングを訪れた。夕食には英国の伝統的なスリップウェアの食器一式が用いられるなど、生活と仕事の両方にはっきりとした信念があらわれているメーレに感銘を受けた濱田は、帰国後、東京からほどよく離れた栃木県の益子を生涯の作陶地に選んだ。

 

 

濱田庄司《白釉胴紐注瓶》1960年頃

濱田庄司《白釉胴紐注瓶》1960年頃

 

 

 

エセル・メーレ《上着》1920年代

エセル・メーレ《上着》1920年代

 

 

 

 

富本憲吉×芹沢銈介

 

 

芹沢銈介《琉装の女》1940年代

芹沢銈介《琉装の女》1940年代

 

 

 

 

富本憲吉《白磁染付蝋抜ホップ文鉢》

富本憲吉《白磁染付蝋抜ホップ文鉢》

 

柳宗悦や作家たちとつながりを持ち、ともに活動した山本爲三郎のコレクションならではの展覧会だ。

 

 

 

鑑賞入場券プレゼント 5組10名様

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Information

展覧会「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」

名称

展覧会「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」

会期

開催中〜7月6日(日) 10時〜17時(最終入館16時30分)※月曜休館 / 入館料 一般 1,100円、高大生 500円、中学生以下無料

会場

アサヒグループ大山崎山荘美術館

住所

京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3(JR山崎駅、または阪急大山崎駅より徒歩約10分)

URL

TEL

075-957-3123(総合案内)

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