企画展|久米島紬展(東京日本橋) 天然の素材と伝統と職人の技がつまった「久米島紬」が一挙に展示 RECOMMEND 着物好きの方であれば、「紬」は親しみある織物のひとつでしょう。普段着として楽しめる「織りの着物」といわれる紬ですが、なかでも国の重要無形文化財に指定されている「久米島紬」は全国に伝わる着物の柄である絣技法のル ーツともいわれています。11月22日から24日まで、東京日本橋CREDO室町3内の橋楽亭で、50点以上の久米島紬の展示会が開催されます。 久米島紬展示風景 久米島紬は島の豊かな自然から採れる染料と泥染めによって生まれる唯一無二の風合いが特徴で、デザインから織り上げまでの全工程を一人で担うそう。今回の会期中には、久米島紬事業協同組合の協力のもと、織り手が会場に滞在し、解説ツアー(1日3回 12時・15時・17時)や織り手による絣くくりの実演(随時)なども予定されているので、久米島紬の伝統と職人の技を体感できる貴重な機会となります。 一人の織手が全ての工程を担う久米島紬(機織りの様子) 久米島紬の見どころは、染め残す「白」と、泥染の「黒」とその中間にグラデーションでその間に現れる「赤茶」だといわれます。3色の現れ方は染色の工程が関係しているとのこと。美しい白色をのこすことが技術的に難しいとされていますので、久米島紬のこの3色の色合いや風合いは、ぜひ会場で直接見るのがおすすめです。 久米島紬(泥染風景) 久米島紬(草木染め) 主催するやまもと工藝は和裁師・山本宗司氏が代表をつとめ、横浜を拠点に着物仕立てや着付け・和裁教室、茶道具の袋もの仕立てなど、多岐にわたる和装関連のサービスを提供しているきもの工房です。山本さんは久米島紬大使もつとめており、今回の展示会を通じて、久米島紬がもつ「新しいラグジュアリー」としての価値と、日本の誇るべき伝統文化の奥深さを感じてほしいとのこと。 山本宗司さん(和裁師/袋師/やまもと工藝 代表) 会場となる橋楽亭も日頃は茶会や着物のお稽古など、和文化に馴染み深い場所。会期中は久米島紬の展示販売だけでなく、お仕立て相談や予約も可能ですので、この機会に久米島紬の伝統技術に降れ、着物に親しむ時間を楽しみに出かけてみてはいかがでしょう。 Information 久米島紬展 2025年11月22日 ~ 2025年11月24日 会場 橋楽亭(COREDO 室町 3 内 3F) 住所 東京都中央区日本橋室町 URL https://yamamoto-kimono.com/ TEL 045-410-0410 (やまもと工藝) 入場料 無料 備考 主催:やまもと工藝/協賛:久米島紬事業協同組合 *11/23(日) 14時から、久米島大使「かたぶい」によるハープ演奏会があります。 *解説ツアー(1日3回 12時、15時、17時) 久米島紬事業協同組合の織り手による絣くくりの実演(随時) RELATED ISSUE 関連書籍 目の眼2025年12月号・2026年1月号No.584 廣田不孤斎の時代 新しい美の発見者 廣田松繁(不孤斎 1897 〜1973)は、東京・日本橋に西山保(南天子)とともに壺中居を創業し、国際的評価の高い鑑賞陶磁の名店に育てました。今号は小説家の澤田瞳子さんをはじめ、不孤斎本人を知る関係者の方々を取材。旧蔵品や資料から、不孤斎が見出した美を特集します。 そのほか宮武慶之さんと陶芸家の細川護熙さんの対談や、デザイナーのNIGO®さん、起業家の伊藤穰一さんへのインタビューなど、現代数寄者やクリエイターの方たちを紹介します。 試し読み 購入する 読み放題始める POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 東洋美術コレクター 伊勢彦信氏 名品はいつも、 軽やかで新しい People & Collections | 人・コレクション 縄文アートプライベートコレクション いまに繋がる、縄文アートの美と技 Ceramics | やきもの 企画展紹介|ザ・プリマ・アートセンター(韓国) ソウルに新たな美術館 誕生 THE PRIMA ART CENTER Ceramics | やきもの 昭和時代の鑑賞陶磁ブーム 新たなジャンルを作った愛陶家たち People & Collections | 人・コレクション 展覧会レポート|大英博物館「広重展」 名所絵を超えた“視点の芸術”が、いま問いかけるもの 山田ルーナCalligraphy & Paintings | 書画 藤田傳三郎、激動の時代を駆け抜けた実業家の挑戦〈前編〉 People & Collections | 人・コレクション 展覧会紹介 「古道具坂田」という美のジャンル People & Collections | 人・コレクション 東京アート アンティーク レポート #1 3人のアーティストが美術・工芸の継承と発展を語らう Others | そのほか 展覧会紹介|根津美術館 焼き締め陶の魅力を一堂に Ceramics | やきもの 世界の古いものを訪ねて#8 2025秋のシャトゥ蚤の市。フランスの小さなカフェオレボウルと、見立ての旅。 山田ルーナOthers | そのほか 世界の古いものを訪ねて#6 アンティークの街・ルイスで出会ったグラスと、生活の色気 山田ルーナVassels | うつわ 夏休みにおすすめ! 古代ガラスの展覧会 Ornaments | 装飾・調度品