現代刀最高峰の刃文をみる Armors & Swords | 武具・刀剣 今週2月5日より、日本橋三越本店において、現代刀匠 大野義光氏の作品展「作刀50年 大野義光 華麗なる重花丁子の刃文」が開催される。 大野氏は1948年、新潟生まれ。1975年より作刀をはじめ、以来数々の賞を受賞し、現代に生きる刀匠として最も高く評価された一人。一文字派や長船派によって伝えられた備前刀の丁子乱れを継承し、とくに華やかな「重花丁子(じゅうかちょうじ)」を得意として独自の工夫が凝らされたその作品は「大野丁子」とも呼ばれる。 なかでも、いまから40年ほど前の1984年に日本美術刀剣保存協会が主催した新春名刀展に出品された「山鳥毛(さんちょうもう)」写しが高い評価を受け、一躍脚光を浴びた。「山鳥毛」は鎌倉時代の福岡一文字派が生み出した名刀で、上杉謙信の愛刀としても知られる国宝で、近年5億円ともいわれる最高評価額で岡山県瀬戸内市が購入した。 本展では、大野氏の代表作となった「山鳥毛」写しを含み23口が展示・販売される。「刃文の限界、華やかさの限界、技術の限界を追い求めた」と作者自らも語る刃文はぜひ会場で、その眼で体感して欲しい。(2月10日まで) 大野義光氏によるギャラリートーク 日時:2025年2月8日(土) 午後2時より 会場:大野義光 展 会場内 ※入場無料 日本橋三越本店 本館6階美術特選画廊 住所:〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1 TEL:03-3241-3311 RELATED ISSUE 関連書籍 目の眼2025年2・3月号No.579 織部のカタチ アバンギャルドな粋 戦国時代に一世を風靡した織部焼。歴史上に生きた人物を後年に名に冠した珍しいやきものです。 大胆な造形と革新的なデザインは多くの人々を魅了し、日本人の美意識を中世から近世へとシフトアップさせました。それから400年、令和の時代となっても織部焼は高い人気を誇っています。今回は伝世の茶道具からうつわ、陶片にいたるまで、多彩な展開を見せた織部を現代に継承し、使いこなす愉しみを紹介します。 試し読み 購入する POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 正宗の風 相州伝のはじまり “用と美”の革新、名刀匠正宗の後継者・正宗十哲が繋ぐ相州伝 Armors & Swords | 武具・刀剣 眼の革新 大正時代の朝鮮陶磁ブーム 李朝陶磁を愛した赤星五郎 History & Culture | 歴史・文化 新刊発売 「まなざしを結ぶ工芸」著者インタビュー 本田慶一郎と骨董と音楽と People & Collections | 人・コレクション Book Review 会津に生きた陶芸家の作品世界 Others | そのほか 日本橋・京橋をあるく 特別座談会 骨董街のいまむかし People & Collections | 人・コレクション 骨董ことはじめ① 骨董と古美術はどう違う? History & Culture | 歴史・文化Others | そのほか 超! 日本刀入門Ⅰ|日本刀の種類について解説します Armors & Swords | 武具・刀剣 小さな壺を慈しむ 圡楽窯・福森雅武小壺であそぶ Ceramics | やきもの 展覧会情報 今秋、約50年ぶりのはにわ展/東京国立博物館 Ceramics | やきもの 骨董ことはじめ② めでたさでまもる 吉祥文に込められたもの History & Culture | 歴史・文化 眼の革新 鈍翁、耳庵が愛した小田原の風 People & Collections | 人・コレクション ビンスキを語る ビンスキは どこからきたのか 〜その美意識の起源を辿る History & Culture | 歴史・文化