フェア&人材育成プロジェクト|東京美術倶楽部「工+藝」京都 2025 千年の技と美意識を世界へ、KOGEIアート・プロデューサー育成始動 RECOMMEND 11月の京都は、アート月間と称して古美術から現代アートまであらゆるジャンルのアートが集結。京都駅から徒歩約10分の場所に位置する東本願寺の飛地境内・名勝「渉成園」では、東京美術倶楽部による展覧会「工+藝 2025」が11月15日(土)から18日(火)までの4日間にわたり開催されます。 名勝・渉成園(枳殻邸)閬風亭(ろうふうてい) 渉成園は東本願寺の飛地境内地にあり、かつては詩歌・茶の湯・能狂言などとの関わりも深く、文人趣味にあふれる仏寺庭園として知られています。いまの季節であれば秋らしい紅葉の美しさも楽しめるのではないでしょうか。その庭園の景観を活かしつつ、「工+藝2025」の展示として、国内を代表する現代工芸作家49名の新作が出展されます。 〈工+藝 2025 出展作家一覧〉 浅井康宏、伊藤秀人、伊藤航、内田鋼一、ウチダリナ、王雪陽、大室桃生、隠﨑隆一、月山貞伸、加藤高宏、加藤亮太郎、川端健太郎、岸野寛、小曽川瑠那、五味謙二、佐故龍平、澤谷由子、新宮州三、スナ・フジタ、関島寿子、孫苗、高橋奈己、田中里姫、佃眞吾、土屋順紀、出和絵理、時田早苗、戶田浩二、豊海健太、新里明士、⻄村圭功、橋本雅也、服部真紀子、福村龍太、藤川耕生、桝本佳子、前田正博、増田敏也、松永圭太、三上亮、見附正康、宮入陽、ミヤケマイ、十三代三輪休雪、三輪太郎、牟田陽日、山村慎哉、吉田泰一郎、和田的 人材育成で日本工芸・古美術の価値を刷新 今回は展示だけではなく、東京美術倶楽部が新たにスタートさせる人材育成プロジェクト「KOGEI Art プロデューサー実践的育成プログラム」の募集開始も発表されています。日本の工芸と古美術をより世界へ発信し、流通させていける人材を育てることが目的で、美術商、キュレーター、デザイン・ファッション・建築分野など、日本の工芸文化を伝えていきたい人材を広く募集するとのこと。募集枠は10名と発表されていますが、受講者には国内有識者による研修や講義をはじめ、海外マーケットを視野にいれた実践的カリキュラムがプログラムされています。 展示会「工+藝」 2024年の展示風景 11月15日からの募集開始となり、専用のウェブサイトからの応募となりますので、工芸・古美術に携わる仕事に関心がある方は、まずは専用サイトへ。 「KOGEI Art プロデューサー」育成プロジェクト ▷ 第一期 応募サイト 主催: 東京美術倶楽部、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会 この人材育成事業は、文化庁および日本芸術文化振興会の「文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター等支援事業・育成プログラム構築・実践)」の委託を受けて実施されるとのことですが、120年近くにわたり日本の美術界を牽引してきた美術倶楽部によるカリキュラムと聞くと、実践を通じた本格的な育成プロジェクトになるのではないでしょうか。期待したいですね。 なお、同じ会期で、アートフェア「CURATION⇄FAIR Kyoto」が古刹 大本山妙顕寺で開催。サテライト会場として、渉成園にも現代工芸作品が中心に展示されます。 Information 「工+藝」京都 2025 開催中 ~ 2025年11月18日 会場 京都・渉成園 住所 京都府京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町 TEL 03-3432-0191(東京美術倶楽部) 入場料 一日券・通し券あり 備考 11月15日(土)、16日(日)、17日(月)9:00 - 21:30 11月18日(火)9:00 - 18:00 RELATED ISSUE 関連書籍 目の眼2025年12月号・2026年1月号No.584 廣田不孤斎の時代 新しい美の発見者 廣田松繁(不孤斎 1897 〜1973)は、東京・日本橋に西山保(南天子)とともに壺中居を創業し、国際的評価の高い鑑賞陶磁の名店に育てました。今号は小説家の澤田瞳子さんをはじめ、不孤斎本人を知る関係者の方々を取材。旧蔵品や資料から、不孤斎が見出した美を特集します。 そのほか宮武慶之さんと陶芸家の細川護熙さんの対談や、デザイナーのNIGO®さん、起業家の伊藤穰一さんへのインタビューなど、現代数寄者やクリエイターの方たちを紹介します。 試し読み 購入する 読み放題始める POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 大豆と暮らす#1 受け継がれる大豆と出逢い、豆腐屋を開業 稲村香菜Others | そのほか 映画レビュー 配信開始|骨董界の夢とリアルを描いた 映画『餓鬼が笑う』 Others | そのほか 大豆と暮らす#4 骨董のうつわに涼を求めて ー 豆花と冷奴 稲村香菜Others | そのほか 骨董の多い料理店 進化しつづける「獨歩」の料理と織部の競演 Ceramics | やきもの 連載|辻村史朗(陶芸家)・永松仁美(昂KYOTO) 辻村史朗さんに “酒場”で 学ぶ 名碗の勘どころ「井戸茶碗」(後編) Ceramics | やきもの 台北 古美術探訪|国立歴史博物館 歴史と古美術を満喫、台北「国立歴史博物館&植物園」を探訪 History & Culture | 歴史・文化 Book Review 会津に生きた陶芸家の作品世界 Others | そのほか 東西 美の出会い 日本・オーストリア文化交流の先駆け|ウィーン万国博覧会 森本和夫History & Culture | 歴史・文化 インタビュー|伊藤穰一さん アートとデザインとサイエンスとエンジニアリングを行き来する茶人 People & Collections | 人・コレクション リレー連載「美の仕事」|澤田瞳子 澤田瞳子さんが選んだ古伊万里 澤田瞳子Ceramics | やきもの 古美術をまもる、愛でる 生糸染めから手機織りで受け継がれる、真田紐師 江南の唯一無二 Others | そのほか 東京・京橋に新たなアートスポット誕生 TODA BUILDING Others | そのほか