静寂の南画家 甲斐虎山 −孤高の生涯と芸術− 村田隆志 著 2022年06月22日 発売 定価 3,080円(税込) 画は難しいから良くわからないといわれますが、わからないこそ面白いといえるのではないしょうか。目の眼では、最後の南画家と言われる甲斐虎山の作品集を刊行しております。編集者は京都女子大学教授の前﨑信也先生と大阪国際大学教授の村田隆志先生という関西美術界を代表する若手研究者お人による甲斐虎山の画と賛の魅力、虎山の画を通じて南画の見方・楽しみ方も分かりやすく解説。南画や文人画に触れたことない方でも楽しめる一冊です。 購入する amazon honto ご購入に関するお問い合わせはこちら MENOME CHANNEL 絶景を目にして「まるで山水画のよう」と形容することがあります。「山水画」は、山岳と河水が織りなす自然の風景を描く、東洋絵画のジャンルです。これは単に山や川を描いた風景画というだけではありません。 中国では、古くから山を神々や仙人、霊獣が住まう霊的な空間であると考える神仙思想が流行しました。神仙は人里を離れた深山幽谷に住むものであり、その世界を描いた絵を飾り、眺めることは、鑑賞者の精神を清浄な霊地にいざなうものだと考えられていたのです。 そして「山水画」は、実際に現地で観ることはできない、記憶や想像の中だけに存在する風景を目にする手段として受け入れられていくことになりました。それが中国の代表的な絵画様式の「南宋画(南画)」の典型的特徴の一つとなったのです。そしてそれは室町時代以降、日本にも大きな影響を及ぼしました。 甲斐虎山は大分の臼杵に生まれ、生涯にわたって画壇とは距離を取りながら、豊後南画の技法と精神を貫きました。そのせいで殆ど名前も知られることもなく、孤高の存在として京都で生涯を閉じましたが、その画は清浄して斬新。晩年には現代美術と見紛うような作品の数々を生み出しました。 編著者は京都女子大学教授の前崎信也先生と大阪国際大学教授の村田隆志先生という関西美術界を代表する若手研究者お二人による甲斐虎山の画と賛の魅力、虎山の画を通じて南画の見方・楽しみ方もわかりやすく解説。南画や文人画に触れたことがない方でも楽しめる一冊です。南画は難しいから良くわからないと言われますが、わからないからこそ面白いと言えるのではないでしょうか ●編著者プロフィール 前崎 信也 京都女子大学家政学部生活造形学科教授 1976年、滋賀県生。ロンドン大学SOAS博士課程修了、2009年、博士号取得(PhD in History of Art)。立命館大学アート・リサーチセンター客員協力研究員、京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員研究員等を兼務。専門は日本工芸文化史、東洋陶磁研究、文化情報学など。近著に『アートがわかると世の中が見えてくる』(IBCパブリッシング、2021年)。 村田隆志 大阪国際大学国際教養学部国際観光学科教授 1978年、兵庫県生。学習院大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士後期課程単位取得満期退学。日本水墨画美術協会理事、京都女子大学文学部非常勤講師等を兼務。専門は日本近世・近代美術史、近代南画研究、博物館学など。近著に『明治の金メダリスト 大橋翠石~虎を極めた孤高の画家~』(神戸新聞社、2020年)。 MAGAZINES/BOOKS 目の眼2025年2・3月号No.579 2025年1月14日発売 目の眼 電子増刊第1号(2025.1月) 2024年12月14日発売 目の眼2024年12月号No.578 2024年11月14日発売 目の眼2024年11月 電子増刊第0号 2024年10月14日発売 目の眼2024年10月号No.577 2024年9月16日発売 目の眼2024年9月号 No.576 2024年8月15日発売 目の眼2024年8月号 No.575 2024年7月15日発売 目の眼2024年7月号 No.574 2024年6月13日発売 目の眼2024年6月号 No.573 2024年5月14日発売 目の眼2024年5月号 No.572 2024年4月14日発売 目の眼2024年4月号 No.571 2024年3月14日発売 目の眼2024年3月号 No.570 2024年2月14日発売 雑誌・書籍のラインナップを見る POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 小さな壺を慈しむ 圡楽窯・福森雅武小壺であそぶ Ceramics | やきもの 東京・京橋に新たなアートスポット誕生 TODA BUILDING Others | そのほか 古唐津の窯が特定できる「分類カード」とは? Ceramics | やきもの 展覧会情報|福岡市美術館 知られざる目利き・吉村観阿の展覧会開催 Ceramics | やきもの 根付 怪力乱神を語る 掌の〝吉祥〟を読み解く根付にこめられた想い Ornaments | 装飾・調度品 札のなかの万葉 百人一首と歌留多のこころ History & Culture | 歴史・文化 展覧会情報 装い新たに 荏原 畠山美術館として開館 History & Culture | 歴史・文化 最も鑑定がむずかしい文房四宝の見方 硯の最高峰 端渓の世界をみる People & Collections | 人・コレクション TSUNAGU東美プロデュース 古美術商が語る 酒器との付き合い方 Vassels | うつわ 連載|辻村史朗(陶芸家)・永松仁美(昂 KYOTO店主) 辻村史朗さんに酒場で学ぶ 名碗の勘どころ「井戸茶碗」(前編) Ceramics | やきもの 連載|真繕美 古唐津の枇杷色をつくる – 唐津茶碗編 2 Ceramics | やきもの ビンスキを語る ビンスキは どこからきたのか 〜その美意識の起源を辿る History & Culture | 歴史・文化