金継ぎと漆 KINTSUGI & JAPAN

欠けたうつわを継ぎ直して金で彩色する修復法「金継ぎ」。樹脂や接着剤を使ったカンタン金継ぎが流行していますが、本書は本漆を使った本格的な金継ぎについて解説しています。
金継ぎ教室「サラーム釉花」主宰、加藤利恵子氏による、わかりやすい金継ぎの手引き書。

 

第一章  金継ぎの歴史
     金継ぎの誕生と織田信長
     日本における茶の伝来
     馬蝗絆をめぐる考察
コラム1 さすらいの「こわれもの」ハンター

第二章  やきものと修理の基礎知識
     やきものの種類と特徴
     陶磁器の正しい扱い方
     キズの種類
     陶磁器の修理法
コラム2 こわれものハンター、3万3000円で名品を買う

第三章  「金継ぎ」の基礎知識
     「金継ぎ」で使う道具たち
     貝殻や卵の殻まで(金継ぎの材料は多種多様)
     金継ぎの手順
     趣味人にとっての金継ぎ
     日本における文化財保護
コラム3 沖縄の金継ぎ

第四章  漆について
     天然の漆にこだわる理由
     漆はいつから使われたのか
     価値の高い産物としての漆
     漆の採取方法
     食用・薬としての漆
コラム4 鯛をめぐって大騒動

第五章  「金継ぎ」と国際化
     日本と西洋、美術の違い
     修理に見る日本と西洋の違い
     世界に知られる金継ぎ
     中国で金継ぎの作品展と教室を開催
コラム5 愛すべき漆界隈の人々
コラム6 風呂吹き大根と漆

あとがき

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阿蘭陀

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「阿蘭陀」とはオランダと読み、近世にヨーロッパで中国陶磁を写して作られた色絵陶磁です。江戸時代にもたらされ、茶陶として愛用されました。「阿蘭陀」は必ずしもオランダで作られたやきものだけではなく、フランスやイギリスで作られたものもあり、それぞれに異なるところも魅力のひとつです。華やかで奥深い「阿蘭陀」の世界をご紹介します。