古信楽にいける

花あわせ 横川志歩

RECOMMEND

山紫陽花(七段花)、桔梗、 接骨木、梅、木通、七竈、躑躅 信楽大甕(室町時代)

「骨董に花をいける横川さん」の名と花をあちこちで見聞きするようになった横川志歩さん。東京生まれで、2006年から花人・川瀬敏郎氏に師事し、花を学び続けている。師匠や両親の影響もあってか、古美術店に通ううちに自然と店舗や骨董祭でのいけこみが増え、またそれにつれて彼女の花器コレクションも増えていったそう。

 

2023年12月号の特集「花あわせ」の取材では、古信楽の甕を使って、いけこみを披露していただきました。

​​​​*そのほかのいけこみの様子が、『目の眼』2023年12月号に掲載されています。

 

 

 

2023年6月、記録的な猛暑が始まった京都の、古美術今出川で、「緑蔭花」という花器と横川さんの花のイベントが開催された。イベント前日、特別に時間をいただいて特集(2023年12月号)のために花をいけていただいた。選んだのは古信楽の甕。

 

 「信楽の甕は地味というか、枯れた風情のものが多いなか、これは珍しく表情豊か。赤い肌、焼成による焦げ、釉薬の流れるさま、古信楽の見どころとされる特徴がこの甕ひとつに満載されてますね」と主人の今出川さんが教えてくれた。土門拳の『信楽』はじめ、いくつもの図録で紹介されている有名な甕とのこと。

それを土間の土壁沿いに据え、いけこみが始まった。たくさんの梅雨時の花が組み上げられ、甕の養分を吸い上げて生命力を増したかのように見える。

 

「この信楽にいけたいと願っていたんです。夢がかないました」と笑顔の横川さんだが、このあとご自身のイベントの準備のために、徹夜でいけこみをしたという。そのおかげもあって「緑蔭花」は大盛況だったそうだ。

 

今出川さんに信楽の見どころを教えていただく

 

 

横川志歩

なげいれ花の教室主宰。展覧会や店舗でのいけこみのほか、各地でワークショップや花会を開催。

公式サイト:https://nageire.jimdofree.com/ 

Instagram @shiho_yokokawa/

 

 

協力

古美術 今出川

所在地:京都市東山区元町387

定休日:不定休(事前にご確認ください)

問合せ:075-533-3644

    http://www.imadegawa.jp/

『目の眼』2023年12月号 特集〈花合わせ 古器物にいける〉

RELATED ISSUE

関連書籍

目の眼6・7月号 大阪・関西 美の祭典へ

目の眼2025年6・7月号No.581

大阪・関西 美の祭典へ

大阪・関西万博が開催される2025年は、大阪を中心に京都、奈良の国立博物館で国宝、重要文化財が勢揃いする日本美術の展覧会が開催され、大阪美術倶楽部でも日本中の古美術商が出展する特別展が開催されます。まさに、関西・万博と同時に美の祭典となっている大阪。いま関西で見たい美の真髄、その見どころをご紹介。

POPULAR ARTICLES

よく読まれている記事