風狂と遊戯 閑に読む一休と良寛 室町時代、応仁の大乱を生き延びて地獄のような京の都を阿修羅のように駆けた風狂僧、一休。 幕藩体制が行き詰まりを見せ、頽廃堕落した時代でありながら同時に文化爛熟の時代でもあった文化・文政期に越後の一隅の山中で孤絶の後半生を送った野僧、良寛。日本という国が日々凋落衰退し滅亡の予兆が見える、この現代という末世に、良寛と一休を知り、その文学を読むことが、なにを示唆しもたらしてくれるのか。古今東西の詩人とその世界を語り尽くした著者が、いまこそ誰も知らない一休と良寛の詩を読み解く。 【著者】 枯骨閑人 沓掛良彦( くつかけ・よしひこ) 1941年生まれ。 東京大学大学院博士課程修了。東京外国語大学名誉教授。もと西洋古典文学専攻。 廃業後は狂詩・非句(ひいく)・戯文作者。主著『屁成遺響』(酔生社)。 東洋文学関係の著作として、「和泉式部幻想」(岩波書店)、「式子内親王私抄」(ミネルヴァ書房)、「西行弾奏」(中央公論新社)、「太田南畝」(ミネルヴァ書房)、「表現者一休」(研文出版)、「陶淵明私記」(大修館書店)、「壺中天醉歩」(同) などがある。ほかにギリシア・ラテン文学、フランス文学に関する著訳書多数。 RELATED ISSUE 関連書籍 目の眼2024年12月号No.578 吉村観阿 松平不昧に愛された茶人 江戸時代後期に茶の湯道具の目利きとして知られた吉村観阿(よしむらかんあ)。今年、 観阿の生誕260年を機に、 福岡市立美術館が 初の吉村観阿展を開催します。 そこで『知られざる目利き 白醉庵吉村観阿』の著者 宮武慶之さん全面協力のもと、観阿の茶道具目利きの真髄、 江戸の茶文化を育んだ 松平不昧や酒井抱一らとの交流を紹介します。 試し読み 購入する POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 白磁の源泉 中国陶磁の究極形 白磁の歴史(1) Ceramics | やきもの 阿蘭陀 魅力のキーワード 阿蘭陀の謎と魅力 Ceramics | やきもの 連載|真繕美 古唐津の枇杷色をつくる – 唐津茶碗編 2 Ceramics | やきもの ビンスキを語る ビンスキは どこからきたのか 〜その美意識の起源を辿る History & Culture | 歴史・文化 眼の革新 大正時代の朝鮮陶磁ブーム 李朝陶磁を愛した赤星五郎 History & Culture | 歴史・文化 正宗の風 相州伝のはじまり “用と美”の革新、名刀匠正宗の後継者・正宗十哲が繋ぐ相州伝 Armors & Swords | 武具・刀剣 煎茶と煎茶道 日本人を魅了した煎茶の風儀とは? History & Culture | 歴史・文化 展覧会情報|福岡市美術館 知られざる目利き・吉村観阿の展覧会開催 Ceramics | やきもの 縄文アートプライベートコレクション いまに繋がる、縄文アートの美と技 Ceramics | やきもの 展覧会情報 今秋、約50年ぶりのはにわ展/東京国立博物館 Ceramics | やきもの 展覧会情報 装い新たに 荏原 畠山美術館として開館 History & Culture | 歴史・文化 美術史の大家、100歳を祝う 日本美術史家・村瀬実恵子氏日本美術研究の発展に尽くした60年 People & Collections | 人・コレクション