企画展・茶会紹介

金沢美術倶楽部がもてなす真に心地よい茶会とは|「金沢 茶の湯」3/10〜申込開始

History & Culture | 歴史・文化

 

金沢は、「加賀百万石」と謳われた時代より工芸文化の深い土地だが、それを後押ししたのが茶の湯。

 

加賀藩主の前田家は、初代利家公以来、代々茶の湯に親しみ、文化奨励作を推し進めてきたことで、金沢にはさまざまなジャンルの工芸文化が花開いた。それは現在でも息づいていて、地元の人々はいまも日常的に茶の湯をたしなみ、観光客でも気軽に茶道具に触れたり呈茶を体験できるスポットがいくつもある。

 

 

会場となる金沢美術倶楽部外観

 

 

そんな金沢でこのたび新しく本格的な茶会が立ち上がった。主催は金沢美術倶楽部で、席主は地元で長く茶の湯に携わってきた倶楽部会員がつとめ、濃茶、薄茶を供する。その後、創業135年の名料亭「金城楼」に移動し加賀宝生流による謡を鑑賞、点心は懐石料理をいただくというスケジュールだ。

 

 

点心席となる金城楼外観

 

 

お料理イメージ

 

 

 

金城楼の松の間(上)と末広の間(下)

 

 

なにより魅力的なのは一席15名ほどの「小寄せ」と呼ばれる少人数スタイルで行われるので、時間に追われることなくゆっくりと茶道具やしつらいを楽しむことができること。

 

初開催となる今回は、濃茶席を「平寿商店」平澤宜正(たかのぶ)氏、薄茶席を「石黒商店」の石黒太朗氏という金沢を代表する美術商であり数寄者が務めるとあって、どのような取り合わせとなるか期待が高まる。

 

濃茶席担当の平澤さん

「加賀の茶人や数寄者が大切に育み伝えてきた当地の茶の湯。濃茶席では歴史ある金沢の茶風に触れていただきたく、先人が慈しんだ茶道具を用いて皆様に一服差し上げたく存じます」

 

薄茶席担当の石黒さん

「『金沢 茶の湯』初回になります。金沢らしく加賀前田家、本多家伝来の道具、大樋焼、加賀蒔絵の作品などをしつらえる予定です。茶会の多い金沢ですが、代表的茶会はなんですか?と聞かれたら、それは美術倶楽部の「金沢 茶の湯」ですね、と言われるような茶会を目指したいですね」

と、お2人のコメントもいただいた。

 

 

5月は新緑に輝く季節。金沢の一番いい季節に特別なひとときを体験していただきたい。

 

 

 

 

 

金沢 茶の湯 開催概要

会 期    令和7514()15()

開始時間/ 6×二日間 (一席15名)完全予約制

     ①830分 ②940分 ③1050分 ④12時 ⑤1310分 ⑥1420分  

     全席予約制です。受付順にご案内いたします。

     濃茶→薄茶→謡→点心の順となります。

     所要時間は約三時間半です。

会 場  集合:金沢美術倶楽部 金沢市上近江町61

     茶会:金沢美術倶楽部 

     点心:料亭金城樓

     濃茶:平澤寿庵

     薄茶:石黒太朗

     謡 :加賀宝生流 佐野由於、佐野玄宜

 

金沢美術倶楽部には有料駐車場ございます。満車の場合は近隣のコインパーキングをご利用ください。

金沢美術俱楽部と金城樓間はマイクロバスでの移動となります。

 

会 費   お一人様 55,000円(税込)

定 員  令和7514() 90

       令和7515() 90

 

お問合せ・お申込方法は金沢美術倶楽部のサイトへ▷ https://kinbi.co.jp/kanazawateaceremony2025.html

 

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