神山繁さん追悼 俳優の神山繁さんが1月3日に亡くなられました。俳優界屈指の酒器好きで知られた神山さん。目の眼でも昨年2月号に「吞んべえの酒器とうつわ」と題して特集を組ませていただきました。小林秀雄や青山二郎、白洲正子から薫陶を受けたという酒器の道。そのコレクションは愛好家のレベルを超えた味わいのあるものばかりでした。特集の最後の一文「戯言」が辞世の言葉のように響いてきます。謹んでご冥福をお祈りいたします。 「昔は愛用の品を墓の中に迄持っていった人もいましたが、死ねばカルシウム、そんなことはしない。 泣けてくるような入手の喜びや、長い年月味わい、楽しませてくれた物との別れの悲しみ、ーそんなものが一杯つまった物を、(酒器狂いという)病にとり憑かれた後輩どもに渡し、同じ思いを味わわせてやならくてなんとする! 天国か地獄か知らないが、あちらの世で、チビリ、チビリと酒でも飲みながら、後輩どもが、あれこれ狂いまくるさまを、ニヤニヤ笑って眺めていられたら、どんなに楽しいことだろう! さて、あちらにはどんな酒器が用意されてあるのかな!」 神山繁『戯言』より RELATED ISSUE 関連書籍 目の眼2025年6・7月号No.581 大阪・関西 美の祭典へ 大阪・関西万博が開催される2025年は、大阪を中心に京都、奈良の国立博物館で国宝、重要文化財が勢揃いする日本美術の展覧会が開催され、大阪美術倶楽部でも日本中の古美術商が出展する特別展が開催されます。まさに、関西・万博と同時に美の祭典となっている大阪。いま関西で見たい美の真髄、その見どころをご紹介。 試し読み 購入する POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 古美術店情報|五月堂 東京・京橋から日本橋へ 五月堂が移転オープン Others | そのほか 眼の革新 時代を生きたコレクターたち People & Collections | 人・コレクション 骨董ことはじめ⑨ みんな大好き ”古染付”の生まれた背景 Others | そのほか 眼の革新 大正時代の朝鮮陶磁ブーム 李朝陶磁を愛した赤星五郎 History & Culture | 歴史・文化 煎茶と煎茶道 日本人を魅了した煎茶の風儀とは? History & Culture | 歴史・文化 縄文アートプライベートコレクション いまに繋がる、縄文アートの美と技 Ceramics | やきもの 新刊発売 「まなざしを結ぶ工芸」著者インタビュー 本田慶一郎と骨董と音楽と People & Collections | 人・コレクション 阿蘭陀 魅力のキーワード 阿蘭陀の謎と魅力 Ceramics | やきもの 骨董ことはじめ① 骨董と古美術はどう違う? History & Culture | 歴史・文化Others | そのほか 古唐津の窯が特定できる「分類カード」とは? Ceramics | やきもの 連載|真繕美 唐津の肌をつくるー唐津茶碗編 最終回 Ceramics | やきもの 連載|真繕美 唐津茶碗編 日本一と評される美術古陶磁復元師の妙技1 Ceramics | やきもの