神山繁さん追悼

俳優の神山繁さんが1月3日に亡くなられました。俳優界屈指の酒器好きで知られた神山さん。目の眼でも昨年2月号に「吞んべえの酒器とうつわ」と題して特集を組ませていただきました。小林秀雄や青山二郎、白洲正子から薫陶を受けたという酒器の道。そのコレクションは愛好家のレベルを超えた味わいのあるものばかりでした。特集の最後の一文「戯言」が辞世の言葉のように響いてきます。謹んでご冥福をお祈りいたします。
「昔は愛用の品を墓の中に迄持っていった人もいましたが、死ねばカルシウム、そんなことはしない。
泣けてくるような入手の喜びや、長い年月味わい、楽しませてくれた物との別れの悲しみ、ーそんなものが一杯つまった物を、(酒器狂いという)病にとり憑かれた後輩どもに渡し、同じ思いを味わわせてやならくてなんとする!
天国か地獄か知らないが、あちらの世で、チビリ、チビリと酒でも飲みながら、後輩どもが、あれこれ狂いまくるさまを、ニヤニヤ笑って眺めていられたら、どんなに楽しいことだろう!
さて、あちらにはどんな酒器が用意されてあるのかな!」
神山繁『戯言』より

*表1,4.indd

RELATED ISSUE

関連書籍

目の眼2024年7月号 No.574

酒器を買う

選ぶたのしみ使うよろこび

あいかわらず人気の高い酒器だが、コロナ禍を経て少し好みや傾向が変化したようにも見えます。 今号はコレクター や酒器の名店を訪ねて最新事情を紹介するほか、東京美術倶楽部が運営するインターネットサイト「TSUNAGU東美」とのコラボレーション企画としてスペシャル座談会を開催。実践的な酒器の選び方、買い方、愉しみ方などそれぞれの視点から紹介していただきます。