神山繁さん追悼 俳優の神山繁さんが1月3日に亡くなられました。俳優界屈指の酒器好きで知られた神山さん。目の眼でも昨年2月号に「吞んべえの酒器とうつわ」と題して特集を組ませていただきました。小林秀雄や青山二郎、白洲正子から薫陶を受けたという酒器の道。そのコレクションは愛好家のレベルを超えた味わいのあるものばかりでした。特集の最後の一文「戯言」が辞世の言葉のように響いてきます。謹んでご冥福をお祈りいたします。 「昔は愛用の品を墓の中に迄持っていった人もいましたが、死ねばカルシウム、そんなことはしない。 泣けてくるような入手の喜びや、長い年月味わい、楽しませてくれた物との別れの悲しみ、ーそんなものが一杯つまった物を、(酒器狂いという)病にとり憑かれた後輩どもに渡し、同じ思いを味わわせてやならくてなんとする! 天国か地獄か知らないが、あちらの世で、チビリ、チビリと酒でも飲みながら、後輩どもが、あれこれ狂いまくるさまを、ニヤニヤ笑って眺めていられたら、どんなに楽しいことだろう! さて、あちらにはどんな酒器が用意されてあるのかな!」 神山繁『戯言』より RELATED ISSUE 関連書籍 目の眼 電子増刊第4号(2025.6月) 林屋亀次郎の眼 デジタル月額読み放題サービス 今特集は、書籍「林屋亀次郎の眼」(2025年6月発行)の見どころを紹介。昭和初期の実業家・林屋亀次郎の人物像や、コレクションのなかから名品をセレクトして茶道具の必須アイテムを初めての方にもわかりやすく解説しています。茶道具の来歴や人となりを知ることで、コレクションへの理解が深まるきっかけになればと思います。 また今回から「シリーズ連載 目の眼的骨董遊学」と題し、各地の骨董街とそこに佇む古美術店を訪ねるレポート記事を紹介していきます。今回はそのスタートとして上野・湯島・本郷にスポットをあてていきます。 試し読み 購入する POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 眼の革新 時代を生きたコレクターたち People & Collections | 人・コレクション 超 ! 日本刀入門Ⅱ|産地や時代がわかれば、刀の個性がわかります Armors & Swords | 武具・刀剣 展覧会レポート|泉屋博古館東京 “物語(ナラティブ)”から読み解く青銅器の世界 Others | そのほか 骨董ことはじめ② めでたさでまもる 吉祥文に込められたもの History & Culture | 歴史・文化 東京アート アンティーク レポート#3 骨董のうつわで彩る”食”と”花” Others | そのほか 古美術店情報|五月堂 東京・京橋から日本橋へ 五月堂が移転オープン Others | そのほか 日本橋・京橋をあるく 特別座談会 骨董街のいまむかし People & Collections | 人・コレクション 骨董ことはじめ⑦ みんな大好き ”古染付”の生まれた背景 Others | そのほか 書の宝庫 日本 人の心を映す日本の書 Calligraphy & Paintings | 書画 札のなかの万葉 百人一首と歌留多のこころ History & Culture | 歴史・文化 連載|真繕美 唐津の肌をつくるー唐津茶碗編 最終回 Ceramics | やきもの 目の眼4・5月号特集「浮世絵と蔦重」関連 目の眼 おすすめバックナンバー 1994年9月号「写楽二〇〇年」 Calligraphy & Paintings | 書画