浮世絵で華ひらく江戸の文化と蔦屋重三郎の功績 江戸時代中期から後期にかけて、もっとも浮世絵の名品が生まれた全盛期、その時代を牽引した一人が蔦屋重三郎。 蔦屋重三郎は、いまでいうインフルエンサーとして活躍した人物で、その時代を代表する喜多川歌麿や東洲斎写楽をはじめ、礒田湖龍斎や勝川春章、鳥文斎栄之ら浮世絵師の錦絵、版本などを世に出しました。 (骨董・古美術雑誌『目の眼』2025年4月・5月号 「江戸のメディアミックス 浮世絵と蔦重」を特集より) 2025年4月22日より東京国立博物館 平成館では特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」が開催されます。展示作品の約7 割は東博所蔵品で、浮世絵の多くは実業家松方幸次郎(1866 ~1950)が蒐集した、いわゆる松方コレクションです。また版本の一部は、 昭和18 年(1943)に一橋徳川家の宗敬氏から寄贈された和書のコレクション。それら約250点が一堂に展示される展覧会となります。 東京国立博物館 特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」 (目の眼2025年4・5月号特集より) 明治以降、浮世絵は欧米の愛好家に再発見されました。一大ブームとなっ て浮世絵は海を渡り、一級の浮世絵コレクションが今も海外に多く収蔵されています。今年は日本でも、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK)とのメディアミックスで、浮世絵と蔦重の展覧会が多数開催されますので、改めて浮世絵作品を多く目にする1年になりそうです。 大判錦絵折帖『吉原傾城 新美人合自筆鏡』(目の眼2025年4・5月号 特集「浮世絵と蔦重」より) 日本の美術として、もっとも早くに世界に知られ、木版による繊細な線と美しい多色摺で愛好家を夢中にさせた浮世絵。蔦屋重三郎が見出した天才絵師・歌麿や写楽、ブームによって生まれた名品の数々をぜひ楽しみましょう。 【2025年3月14日発売】 骨董 古美術雑誌『目の眼』4・5月号 特集 江戸のメディアミックス 浮世絵と蔦重 『目の眼』2025年4・5月号 浮世絵と蔦重 *詳細やご購入申込は、こちらから。 蔦屋重三郎が携わった浮世絵作品を中心に、浮世絵作品から判本まで江戸カルチャーをたっぷりご紹介。浮世絵を得意とする画商、古美術商、古書店に蔦重に関わる希少な錦絵、版本を取材しているほか、国際的オークションの海外市場についても紹介しています。 Auther RELATED ISSUE 関連書籍 目の眼2025年8・9月号No.582 古美術をまもる、愛でる 日本の古美術には、その品物にふさわしい箱や仕覆などを作る文化があります。 近年では、そうした日本の伝統が海外でも注目されるようになってきましたが、箱や台などをつくる上手な指物師、技術者は少なくなっています。 そこで今回は、古美術をまもる重要なアイテムである箱・台などに注目して、数寄者のこだわりと制作者たちの工夫をご紹介します。 試し読み 購入する 読み放題始める POPULAR ARTICLES よく読まれている記事 骨董ことはじめ⑥ 骨董ビギナー体験記|はじめて骨董のうつわを買う Others | そのほか 展覧会紹介 「古道具坂田」という美のジャンル People & Collections | 人・コレクション 縄文アートプライベートコレクション いまに繋がる、縄文アートの美と技 Ceramics | やきもの 超 ! 日本刀入門Ⅱ|産地や時代がわかれば、刀の個性がわかります Armors & Swords | 武具・刀剣 煎茶と煎茶道 日本人を魅了した煎茶の風儀とは? History & Culture | 歴史・文化 企画展紹介|銀座 蔦屋書店 日本刀・根付売場 春画と根付の世界をたのしむ Ornaments | 装飾・調度品 展覧会レポート|泉屋博古館東京 “物語(ナラティブ)”から読み解く青銅器の世界 Others | そのほか 骨董の多い料理店 進化しつづける「獨歩」の料理と織部の競演 Ceramics | やきもの 連載|真繕美 唐津の肌をつくるー唐津茶碗編 最終回 繭山浩司・繭山悠Ceramics | やきもの 2023年8月号 特集「猪口とそばちょこ」 不思議に満ちた そばちょこを追って Vassels | うつわ スペシャル鼎談 これからの時代の文人茶 繭山龍泉堂 30年ぶりの煎茶会 龍泉文會レポート People & Collections | 人・コレクション 映画レビュー 配信開始|骨董界の夢とリアルを描いた 映画『餓鬼が笑う』 Others | そのほか